2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ショッカーシークエンス

ショック場面(ショッカーシークエンス)は、そこに至るまでのタメ(観客の注意力を高める静寂)、異物出現のタイミング、そしてそのショック場面と画面内で体験する俳優のリアクションが肝要だ。 ホラー映画におけるショッカー場面は、観客にとって「びっく…

霊能者をヒロイックに扱ってはならない

説明不足な不条理こそ恐怖なのであり、「霊能者」的人物の「解説」と、その物語そのものの「真相」と断言することは、因縁話に堕してしまうことにつながる。 霊能者的人物を主人公にしたキャラクター物の場合は、作品の狙い自体が虚構の面白さを担うものであ…

因縁話は怖くない

(幽霊の出現の)理由が明らかになるやいなや、生前の記憶の断片だけを持った「頭の悪い」存在になってしまう。 なぜそんなことが起こったのか全く理解できず、しかし圧倒的な暴力性をもってその体験者に襲いかかる出来事こそ、おそろしい。 観客が幽霊に感…

主人公に感情移入をさせる必要はない

(観客に理解できない登場人物に関して)こうした映画では、観客は人物に対して感情移入するのではなく、自分とは異なる人間の自分のそれとは異なる人生を疑似体験しているのだ。 (実話ベースのホラー作品の場合)必要なのは、「こういう人間はいる」という…

怖さとは段取りである

情報の蓄積から、観客と視点となる登場人物に、恐ろしい存在の類推をさせる。 怪異を断ち切る・対決するために、約束された決戦の場に向かう。 登場人物の、怖がっているリアクション。 こんな場面こそが、怖さである。 オチは関係ない。 映画の段取りに「登…

ホラー映画の魅力

小中千昭著 岩波アクティブ新書 この本は、ホラー映画の脚本家が、自身の経験を踏まえてホラー映画の構造を解説する一冊である。 本の中から、興味深い場所をピックアップしてみた。