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去年読んだ本です。
物語編集力
構成イシス編集学校 ダイヤモンド社
この本にはイシス編集学校で行われている物語を作る稽古とその作品、解説が書かれています。
http://es.isis.ne.jp/
既に成功した物語から骨組みを取り出し、それを新たに肉付けすることによって全く違ったジャンルの物語を生み出しています。ジャンルは違えど、物語の基礎は変わらないということを実証しているわけです。
生まれた物語の元ネタを当てるのはかなり難しいと思います。
物語とは人々の頭の中に典型的に記述されている知識の構造つまりスクリプトにゆれやひび割れを起こすことであり、静的な状況の中に「紛糾」と「葛藤」を巻き起こすことであり、その解決を模索することだったのです。つまり日常の安定した世界にあえて非日常をもちこんで不安定化させ、その回復をめざすプロセスを記述したものが物語なのです。
不安定からの回復をめざすプロセスは作り手も受け手も影響を受けるのでしょうね。
作り手からすれば「物語が動き出した」となり、受け手も「おや? この後どうなるんだ」と興味引かれるわけです。
回復をめざすプロセスはもしものときに対する脳内シミュレーションなのですかね。それだったら昔から物語が必要とされる理由がわかるような気がします。