102-01-01から1ヶ月間の記事一覧

登場人物の気質

登場人物は等身大というよりは象徴的で、非常に明確に善か悪かの定義が下されている。

時間軸

時間はほとんどの場合、主人公自身がコントロールしていて、自らのために行動を起こすのか否か、どういう選択を主人公が下すかにかかっている。

制限された世界

物理的な世界も主人公の情緒的、精神的世界と同様、限定的で、たとえば沈んでいく船、田舎の村、未開の島などだ。

物語の軌道

おとぎ話の主人公は、精神的な束縛から解放されなくてはならない。主人公はより支配的な登場人物に服従していて、その人物は通例、主人公の家族だ。

おとぎ話のジャンル

「プリティ・ウーマン(90)」「ピアノ・レッスン(93)」「いつか晴れた日に(95)」「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち(97)」「タイタニック(97)」「ムーラン・ルージュ(01)」

登場人物の気質

コメディの登場人物は、映画の世界でいちばんのニヒリストだ。彼らはその作品によって規定された騒々しい世界の中で、事実上何だってやりたい放題なのだが、彼らの行動の道徳性のために、概して観客に納得のいく存在であり続ける。

時間軸

ストーリーが誇張されているので、観客はコメディの非現実性が永遠には存在できないことに気づいている。だから時間は濃密で、熱狂的で、短い。

制限された世界

コメディの世界は、巨大なバナナの皮で、何もかも大げさで、人をおびえさせ、踏めば滑って転ぶものと思う用心深い人たちでいっぱいだ。

物語の軌道

コメディ・ドラマは、子供のように振る舞う大人を描く。決して理性的に対処されることのない、根本的な誤解、間違った結論への飛躍がある。主人公は自ら立ち向かう準備のできていない、魅惑的で当惑してしまうような世界におじけづいている。

コメディ・ドラマのジャンル

「モダン・タイムス(36)」「キートン将軍(26)」「赤ちゃん教育(38)」「Mr.レディ Mr.マダム(78)」「トッツィー(82)」「恋愛小説家(97)」「ハート・オブ・ウーマン(00)」

登場人物の気質

こうした作品の登場人物の葛藤は、十中八九は一般の観客も体験するものなので、彼らは映画の世界においておそらくもっとももろく、傷つきやすく、等身大で、徹底して《人間的》だ。

時間軸

葛藤が中軸のジャンルでは通常、週末あるいは二、三日といった短期間にことが起こる。実に濃密な感情にとらわれるため、主人公はそこで起こる不和を比較的短時間のうちに解決することを求められるのだ。

制限された世界

登場人物に喧嘩相手と折り合いをつける行動を強いる、閉ざされた逃げ出せない場で起こる。こうした登場人物の人生における葛藤が中軸の映画は、しばしば一室あるいは主に一室で起きる舞台劇を元に作られている。

物語の軌道

概して、疎遠になった家族の面々が、葬式などの情緒過敏になる出来事の場で個人間の葛藤を強いられ、古傷がぶり返し、癒される場面が展開する。

葛藤が中軸のジャンル

「普通の人々(80)」「愛と追憶の日々(83)」「テンダー・マーシー(82)」「マグノリアの花たち(89)」「マイ・ルーム(96)」「イン・ザ・ベッドルーム(01)」

登場人物の気質

登場人物は実存主義的で、自己不信に苦しんでいる。

時間軸

時間はかなり短いが、生涯の苦悩の濃密なクライマックスに達するときだ。

制限された世界

ストーリーが本質的に静的なため、物理的に主人公を内的な苦悩に追い込んでいくような、閉ざされた、たいていは小さな場所で物語が展開する。

物語の軌道

罪あるいは罪だと思い込んでいたものの贖罪を通しての主人公の自己表出についてのストーリーとなりがちだ。出来事の大部分が主人公の内面で起こるため、物語のプロットは極めて少ない。したがって物語の軌道は主人公同様はっきりせず、観客が予測できるよう…

個人的な苦悩のジャンル

(多くのヨーロッパ映画。初期のイングマール・ベルイマンの作品)

進んで死に向かう意志

スリラー アクション・アドベンチャー 形而上的反抗

生きる意欲

個人の探求 探偵 ホラー スリラー

充実した生への意欲

個人的な苦悩 葛藤が中軸 コメディ・ドラマ おとぎ話 個人の探求

ジャンルのコンティニュイティ(連続)

#個人的な危険が増すほど、社会に及ぼす影響も大きくなる(下に行くほどその傾向が強くなる)

ハリウッド脚本術2 いかにスリラーを書くか(フィルムアート社 ニール・D・ヒックス) における映画のジャンルわけ