最強伝説 黒沢

http://www.bigoriginal.shogakukan.co.jp/manga/kurosawa.html
 単行本が出るそうだ。
 福本伸行の漫画はこれ以外に、「カイジ」しか読んだことはない。
 この漫画に賭博は一切出てこない。
 だからゆっくりとした時間が流れている。
 このゆっくりとした時間の中で、

  • (仕事)仲間が自分を認めてくれる
  • 俺にもあたたかい家族がいたら…

 などという妄想がでてくる。
 黒沢は男やもめで若くないため、「このままでいいのか」という思いでいっぱいなのだ。
 どこか日常から逃げたいと思っている。
 食い扶持に困らないが、何となく不安なこの世の中にフィットしているのだ。
 賭博の中の、根拠のない希望的観測も面白いが、全然時間のスピードが違う中の妄想がかなり面白い。
 いったいどこが最強伝説なんだろう。
 伏線はありそうだが、何のきっかけもない。
 もう一巻がでてしまうのになぁ。
 物語の作り方に、こんな切り口があったとは…脱帽である。