魔法昔話とは

 これからウラジーミル・プロップが魔法昔話について述べた文章を紹介する。

何らかの損害ないしは不利益(誘拐・追放等)を与えることから、または何かを手に入れたいという願望(王が息子に火の鳥をとりに行かせる)からはじまって、主人公が家を出、彼に呪的手段を与える贈与者、または求める物を見つけだすのを手伝ってくれる援助者との出会いをへて展開していく(略)。さらに敵との決闘(最も重要な形式は大蛇退治)、帰還、追跡と進む。この構成は入りくんでいることが多い。兄弟たちが、家に向かっている主人公を穴につきおとす。その後彼は再びもどり、難題による試練を受け、自分の国または舅の国で王位につき、結婚する。

 昔話のモチーフの多くは加入札(氏族体制における成人の儀式のようなもの)と、死後の世界への旅と帰還に起源を発している。実際は二つのグループが複雑に絡み合って魔法物語が成り立っている。なお加入札をモチーフとした昔話は、結婚へと流れていく。