──夏休み特別篇──中学生のためのゲームクリエーター講座

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 第三回 ルール

ルールというのは曖昧模糊とした対象を定義してやることなのです。
ただし、重要なことは、この道路が有限数であること。
それが枠組みをする際の特徴といえます。
世の中にある事象を、
「有限数の枠組みで切り取る」。
これが、ゲームプランナーの技です。
あなたの考えたゲームをたくさんの人にを知ってもらうには、このルールが複雑すぎてはなりません。

「タワー」では、この複雑模糊としたテーマを「移動ストレス」というひとつの軸だけで切り取りました。
(略)その結果何かがおきたかというと、不思議なことなのですが、さきほどの記事に表現されたようにシミュレーションのリアリティーが増したのです。
ここで学んだ事は、枠組みは複雑であればよいということではなく、理解される、ということが最優先であることです。

この「タワー」のケースでいえば、一つの軸で高層ビルという複雑なものを切り取ると、格段にわかりやすくなりました。
その結果、普段は建築などに知識や興味のない人々たちもこぞってこの高層ビル建設ゲームにチャレンジしたのです。

ルールというのは途中途中で変わってしまってはならないものです。
(略)こと、ゲームで物語性を表現しようとすると、たったひとつのルールで貫き通す事は困難なことも事実です。
ですから、展開上で、企画者は「新ルール」を登場させます。
新アイテムや新キャラがそれに該当します。
注意しなければならない事は、この新アイテムが、プレイヤーがこれまで積み上げてきたゲーム性を損なわないように、ごく自然に導入されることです。
ゼルダの伝説)では、新キャラとして登場するかわりに、A→A'→A"といった形で進化するのです。
これによってそれまでプレイヤーが養ってきた文法を無駄にせずに戦闘がバージョンアップします。
ルール変更を最小限にとどめることでプレイヤーがそれまで培ってきた上達感を大切にしているといえます。

よいゲームというのは、プレイヤーがルールに沿って自由に行き来できるものです。
そこに「やらされ感」はない。
よいゲームというのはルールが明確かつシンプルであるが故、水や空気のように意識されなくなります。

 ゲームはサービス業の一種である、とつくづく感じますね。