ファンタジーのつくり方

彩流社 中村一朗著
 SFとファンタジー(そしてホラー)の系統を、遺伝子・進化というキーワードから読み解いています。
 さらりとまんべんなく触れているところはいいですね。ただ日本の記述は不足しているような気がします。
 簡単に目次を書いておきます。気になったら書店で探してみてください。

1.ロボットアニメを決定した三つの"原形遺伝子"講座
▼「鉄腕アトム」の文化
▼巨大ロボットアニメの系譜
▼「エイトマン」のSF性
▼人形からロボットの進化
2.人工知能の遺伝子「進化論」講座
▼それは「2001年宇宙の旅」から始まった
▼意思をもつ人工知能の遺伝連鎖
▼「人造」の転生輪廻
▼無意識に纏わるSF
3.サイバーパンク解析講座
レプリカントの魂――SF映画ブレードランナー」の力
サイバーパンクの時代――「ニューロマンサー」について
4.「近代ファンタジー解析」講座
▼「ロード・オブ・ザ・リング」現象を読む
▼近代ファンタジーの雛型を学ぶ
▼ハリー・ポターに熱中する子どもたち
5.「古典的神秘物語進化論」講座
▼「フランケンシュタイン」に学ぶ神秘物語の原点
▼古典SFからモダンホラーへの系譜――冒険小説、探偵小説、「エクソシスト」、そしてスティーブン・キング
6.「千と千尋の神隠し」解析による"応用"講座
神々と妖怪の世界のつくり方
7.神話と民話の遺伝子"活用"講座
遠野物語」から現代日本の妖怪ファンタジーまで

 ひょっとしたら平井和正を一回も読んだことがないかも……。