桝田省治さんインタビュー

http://www.4gamer.net/games/094/G009451/20090626072/

小説には,キャラクターが沢山出ていたりして,お話のなかで彼/彼女らがいろいろなことをしでかすわけだけど,キャラクターっていうのは,やっぱり作者の分身なんだよ。「俺はこんな奴です」「こんなこと考えてます」っていうのを,キャラクターの台詞として言わせてみたり,世界設定で表現してみたり,あるいは起承転結のストーリーで表してみたり,手を変え品を変え「俺を見て」って言い続けるのが,小説というメディアなんだと思う。

ゲームっていうのはまったくその逆で,「あなたってどんな人ですか?」というのを,ひたすら聞き続けるメディアなんじゃないかなって感じるんだよね。さっき言った葛藤/ジレンマというのも,要はそういう話で,選択をプレイヤーに迫ることで,「あなたってどんな人?あなたってどんな人?」を問い続けていく。僕には,ゲームってそういうメディアなんじゃないかという気がするねぇ。

 単純に全ての展開を見るために4800円を投入したくなかったのかもしれませんがそれはさておいて……。
 マルチストーリーというものは「あなた(プレイヤー)ってどんな人?」という形式のゲームに向いているのかもしれませんね。
 遠藤さんのゲームにはゼビウスドルアーガの塔を見ればわかるように独特の世界観があります。
 それはどちらかというと「俺を見て」に近いと感じます。
 ザ・ブルークリスタルロッドが繰り返し遊ばれなくなった理由は「俺を見て」と「あなたってどんな人?」とが合わなかったのかもしれません。
 それではノベルゲームなど複数視点でシナリオが複雑に絡み合ったゲームはどうなんでしょうね。
「○○ルートは好きだが××ルートは好きじゃない」と話している人を少なくない数見かけます。
 私の知らないところで「あなたはどのルートが好き?」「どの子が好み?」という問いかけがあるのでしょうか。
 誰かに訊かれたわけでもないのにプレイヤーが語っているという構図が面白く感じました。