柳生連也武芸帖 四巻を紹介する。
 リイド社 とみ新蔵 コミック乱連載中

 柳生連也は尾張柳生家の嫡男である。
 尾張柳生家は、柳生家の宗家である。

 江戸には江戸柳生家がある。
 江戸柳生家は将軍の剣術指南役であり、さまざまな功績もあって格式では尾張柳生家より高い。
 にもかかわらず宗家は尾張となっている。
 よって江戸柳生家は、尾張を目の仇にしている。
 そんな折、江戸で御前試合が行われることになった。
 連也は道中、江戸柳生家の刺客に襲われる。

 ここから、四巻が始まる。
 とりあえず一話を飛ばして、第二話から書くことにする。

 連也は猟犬に襲われる。
 連也は樹上に逃れる。
 そこに、鉄砲を持った忍者が姿を現す。
 連也、絶体絶命の危機である。

 第三話。
 連也の前に、十文字槍を持った五人の僧が現れる。
 宝蔵院の槍である。
 彼らは一列に並び、槍衾(やりぶすま)で連也に突きかかる。
 そこで次のような解説がある。
 いかなる武芸者も逃れることができないのが槍衾である、と。
 連也はかろうじて松林に逃げ込むが、逃げ場はない。
 連也、絶体絶命の危機である。

 第四話〜第八話。
 連也は病気の女を救う。
 途中医者と知り合い、連也は二人を連れて箱根を越える。
 箱根には江戸柳生家が買収した山賊が待ち構えていた。
 その数、二百人。
 連也、絶体絶命の危機である。

 連也は最強クラスの剣者である。
 しかしこの第四巻において、絶体絶命の危機に三度も陥る。
 時間が経てば経つほど、状況は連也にとって不利になっていく。
 連也はどうやってこの危機を克服するのかと、読者は引き込まれる。

 また第二話では、登場人物の犬に対する態度やエピソードが披露される。
 これらによって、人間の内面とその変化が描かれている。
 見事な娯楽作品である。
 続きが気になる方は、ぜひ手にとって読んで欲しい。

 ちなみに私は、二巻と三巻を入手していない。