「吉野家の経済学」を読んで、ゲームブックのことを考えてみる。
吉野家の牛丼のまねをして、まずゲームブックが飽きられないというところから考えてみる。
飽きられない本、飽きられないゲームとは何だろうか。
しばし現実を忘れ、仮想の世界に入り込んでしまう小説。
登場人物と人間関係によって奥行きや濃密さを表現する小説。
何回やっても展開が変わり、行動とその選択にスリルを感じるゲーム。
チャンスを見極め、それまで積み重ねてきたものを発散して目標を達成するゲーム。
まだいろいろあるだろう。
こういった面白さをゲームブックに練りこむことが、飽きられないゲームブックを作る第一段階なのだといえよう。
ちなみに私の実家は飲食店をやっている。
そこで私は働いている。
「吉野家の経済学」と読むと、個人経営とチェーン店ではこんなにも違うものかと、改めて認識した。
個人経営では値段の設定などを実験することはほとんどできない。
合理化を考えると、とてもチェーン店にかなわない。
個人経営は、チェーン店のブランドの裏を行かなくては生きていけないのである。
どの店とも違う、その店固有の特徴。
系列店ならば同じサービスが受けられるというブランドとは、全く違うやり方だ。
これが客に受け入れられるものであれば、その店は生きていくことができる。
そしてそれが成功したからといって、安易にチェーン展開を始めると失敗するのである。
なぜなら、客が個人経営店とチェーン店では求めるものが違うからである。
むしろ個人事業家が新しい店を作るときは、全く違う雰囲気のオリジナル店を作ったほうが成功するのではないか、と思っている。