恐怖の幻影

 いま恐怖の幻影というゲームブックをやっている。
 作者はR・ウォーターフィールド。
 1989年に社会思想社から出版されている。

  • エルフと夢の関係

 主人公は森エルフである。
 エルフは、現実世界と平行して存在する夢世界の中で活動することができる。
 夢の中で魔力を強くしたり、時には神と交流することができる。

  • きっかけ

 主人公は神の啓示を受ける。
 それは、魔王子イシュトラを倒すというものだった。
 ちなみに魔王子イシュトラは、神話に出てくる悪魔で、絶対に殺せない強力な存在といわれている。
 ゲームブックの中で、こんな大物は出てくることはまずない。(実はゲームブックに出てくる悪役の多くは、世界を征服することを目標にしていない。私はそこが結構好きなのだが)

  • パズル性の高い移動

 森が枯死している。その中心に、イシュトラの前線基地がある。
 主人公はまず、前線基地がどこにあるか探しながら移動することになる。
 その前線基地を探し当てて足を踏み入れると、現実と夢が入り混じった、不思議な世界が現れる。
 現実と夢のどちらかを選んで移動することができる。
 夢世界を移動している間は、主人公の姿が見えなくなる。ただし、存在はしている。
 現実では通路を歩いていても、夢の世界では全く違うかたちに見えるところが面白い。
 パズル性が高く、こういったゲームブックの作り方があるものかと考えさせられる作品である。