盛り上がり

 物語の書きかたには二種類あるということを読んだことがある。それによると最初に最低限のことを決めてから物語を書く方法と、結末をきっちり決めてから物語を書く方法があるということだ。前者は長編小説向きのやり方であり、後者は短編小説に向いているといわれている。
 ハリー・ポッターは、クライマックスを決めてから書かれている。さまざまな小道具・トリックから派生した線は、クライマックスに向けて集約されていく。
 ゲームブックの書き方にも応用できるだろう。クライマックスでなくてもいいから、大きな盛り上げどころをまず考えて、そこから伏線などを書いていくやり方はうまくいきそうな気がする。
 ゲームの盛り上げどころというと、ボスとの戦闘などが思い浮かぶ。しかし戦闘以外にも盛り上げ方は存在する。
展覧会の絵」というゲームブックがある。このゲームブックの盛り上がりどころは、ある人物との出会いである。ここはこのゲームブックのキモにあたるのでたねあかしをするわけにはいかないが、ゲームブックを書くときには戦闘以外の盛り上げ方について考えてみる価値はある。
 そういえば「すいか」の最終回で基子と馬場ちゃんがお互いに駆け寄り、抱きあって再会を喜ぶシーンは、大いに盛り上がったように感じた。ふたりは期限のない再会の約束をして別れるのだが、あのシーンもじーんときたな。