二人の作家の共通点

 ところで、ARTIFACTに紹介されているTINAMIXを覗いていたら、大塚英志氏の話が載っていた。
http://www.tinami.com/x/review/12/page1.html

初期の大塚作品では常にこの「鉄壁のごときゲームの規則」が描かれ、登場人物はそれを逸脱しようとしない。このため、さまざまな起伏を孕むストーリーが展開するにもかかわらず、いずれも奇妙に平板な印象を与える作品になっている。『多重人格探偵サイコ』もまた、こうした作品の延長線上にあるが、ただひとつ、それまでの作品とは大きく異なるポイントがある。『サイコ』の登場人物はいずれも「ゲームの規則」の存在を意識しており、懸命にそこから出ようとするのである。そのもがき方は一種異様で、ときとして「暴発」としか呼びようのない行動を取ることすらある。この一点で、『サイコ』は従来の大塚作品とは、大きく趣を異にしているのである。

 これ、どこかで見たことがあると思ったら、保坂和志氏の書いた本に近いことが書いてあった。
 テーマの代わりにルールを作れ、という一文だ。
http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20040116#p2
 二人の目指すものは全然違うと思っていただけに、印象深かった。
 小説であれ、物語であれ、またゲームであれ、面白さを生み出すエンジンには共通のものが存在するのだろう。