ファミコンゲームブックに関する誤解?

 アタリショックはゲームだけでなく、ゲーム以外の市場の衰退の理由として挙げられることが多い。ゲームブックも粗製濫造から衰退が起こったと唱える人もいる。
 ただよく槍玉に挙げられているファミコンゲームブック双葉文庫は、社会思想社東京創元社が撤退した後も出版を続けていたということである。
 ファミコンゲームブックの場合、ファミコンのカセットは高くて買えないが、その代用として機能していた役割があった。ファイティングファンタジー(FF)がTRPGの誘導役であったことを考えると、同じゲームブックなのに売り方が全く異なっていたということになる。これは社会思想社東京創元社のファン層と双葉文庫のファン層が異なっていると考えたほうがいいだろう。(ただファン層が異なるといっても交流はあったとみていいだろう。)
 またFFなどのゲームブックだとTRPGに流れたお客が帰ってこないことが多いが、ファミコンゲームブックではファミコンの客層(こども)を取り入れている。その功績はもっと評価されてもいいような気がする。おそらくゲームが手軽に購入できるできるようになって*1はじめて、表現や容量に見劣りするファミコンゲームブックが売れなくなったのではないだろうか。
 私が今書いていることは、社会思想社東京創元社などのゲームブックと、ファミコンゲームブックの衰退は全く異なるものではないか、という私見によるものである。ゲームブックの衰退については、ひとつひとつ丹念に調べることが必要で、思うような資料がそろわないのが悩みの種である。

*1:親がゲームにハマった、共働き家族の留守番で寂しくならないように子供にゲームを買い与えた、バブルがはじけてもしばらくは子供のこづかいが減らなかったなどの理由による