傑作スリラーの要素

ハリウッド脚本術2 いかにしてスリラーを書くか (フィルムアート社)を読んでいます。
傑作スリラー*1について書かれていたのでメモ。

人生において通常は、深いかかわりを避け、争いに近づかない、比較的無垢な主人公が、突然恐ろしい陰謀の落とし穴にはまる。
主人公は完全に当惑し、ひたすら正常な日常生活に戻りたいと願うが、強力な敵対者が、主人公のみならずコミュニティ全体をおびやかすような目的に到達するため、主人公を殺そうとする。
主人公はパニックを起こして正気を失い、敵対者から逃げるが、すぐに逃げることが不可能なだけでなく、友人だと思っていた相手からも、信じていた組織からも、救いの手が伸びてこないことを知る。
代わりに、主人公は自信を支えにひとりで行動し、知性の戦いで敵対者の裏をかかなくてはならない。そしてついに、最後の戦いで、主人公は敵対者の弱点をつき、その悪を暴いて、脅威を打ち負かす。
対立の忌避者から自信に満ちた人間へと変わって、主人公は今や鋭く研ぎ澄まされた警戒心でもって、より大きな世界に直面しなくてはならない。

 逃げること、孤立すること、知性で戦うこと。こういった要素が探偵ものやアクション・アドベンチャーと異なるところのようです。「お約束」というやつですかね。以前書いたルール*2とはまた異なっています。
 まだよくわからないんですが、ルールを決めて書くことと、「お約束」を守って書くこととは、また異なっているんじゃないですかね。前者が試行錯誤に、後者は編集に力を入れているような気がします。このどちらが得意なのかで、創作のやり方が異なってくるかもしれません。
「試行錯誤」と「編集」。私は欲張りなので、両方が得意になりたいな、と思っています。