霊能者をヒロイックに扱ってはならない

説明不足な不条理こそ恐怖なのであり、「霊能者」的人物の「解説」と、その物語そのものの「真相」と断言することは、因縁話に堕してしまうことにつながる。
霊能者的人物を主人公にしたキャラクター物の場合は、作品の狙い自体が虚構の面白さを担うものであり(ヒーロー物のロジック)、ここで述べていることには当てはまらない。

 霊能者的人物が主人公になると、ホラー物からヒーロー物になる、これはユニークな視点だと思った。常日頃ホラー物に接している著者だからこそ、こういう約束事をもっているのだろう。