マッガフィン

マッガフィンはヒッチコックが考案した、物語に求心力をつけるしかけです。彼は、このマッガフィンを旅の列車の中で発見したと言います。彼の向かいに座った二人のスコットランド人がこんな会話をしていました。おい、あの棚の上の大きな箱の中身はなんだい。ああ、あれはマッガフィンだよ。え、マッガフィンって。知らないのか、スコットランドの高原でライオンを捕まえる道具さ。え、そんなところにライオンはいないぞ。うーむ、じゃ、あれはマッガフィンじゃないな。
それは誰もそれが何かよくわかっていない、というようなものです。探して奪い合うことによってこそ、ばらばらの登場人物たちを一つに結びつける求心力の架空焦点として重要になるのです。そして、それが両刃の剣である方が、緊迫感を高めるでしょう。

 列車の二人がなぜスコットランド人だとわかったのか、私には不思議です。訛りがそれっぽかったのかな。
 まぁそれはいいとして、マッガフィンは見知らぬ人どうしをつなげる一種の小道具ですね。