「キャラを立てる」とはどういうことか

 愛・蔵太さんの所から転載。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070128

1・独自性。他のキャラクターと区別しうる特徴を持っていること。

2・自立性・擬似的な実在性。一つの物語世界にしばられないこと。読者に提示されている一つ一つの物語の背後に、そのキャラクターの住まう、より大きな物語世界があることを想起させること。この「背後の物語世界」は、あらかじめ作者が整合的に作っているものとは限らない。つまりそこには、受け手による補足が働く余地がありうる。『サザエさん』で言えば、毎日4コマで完結する一つのエピソードが「一つ一つの物語」に当たり、『磯野家の謎』(東京サザエさん学会編、飛鳥新社、1992年)のような本において、受け手によって再構成されようとしていたのが、「背後の物語世界」に当たる。

3・可変性。特徴・性格が、ある程度変化しうること。時間の経過を体現しうること。長期にわたる連載漫画の場合、キャラクターの特徴は、不変ではないことが多い。それは物語のなかでキャラクターの「成長」として提示される場合もあれば、絵柄が自然と変化していった結果である場合などもある。『ドラゴン・ボール』(鳥山明)の悟空の変化と、『ドクター・スランプ』(同)のアラレちゃんの変化を考えてもらえればよい。

4・多面性・複雑性。類型的な存在でないこと。「意外な一面」や「弱点」を持っていること。

5・不透明性。外から・他者から見えない部分(内面)を持っていること。

6・内面の重層性。自分自身にもよく見えない、上手くコントロールできない不透明さが、自分の中にあると意識されていること。「自分とは何か」を、自分に向かって、問うような意識、すなわち「近代的な自我意識」が成立していること。

 その世界に必要とされている、よくわからない人格なんでしょうかね。