ゲームデザイナーW・ライト氏が語る「SPORE」とストーリーテリング

http://japan.cnet.com/special/tech/story/0,2000056938,20345597,00.htm

 Wright氏は「ストーリーとは、じつのところ、1つの因果連鎖をたどることであり、それを見る人たちに提示することだ」と述べている。

http://japan.cnet.com/special/tech/story/0,2000056938,20345597-2,00.htm

 Wright氏は聴衆に向かって、インタラクティブな(すなわち、ビデオゲームの)ストーリーテリングの哲学を論じ、それが映画の哲学とどう異なるかについて矢継ぎ早に語った。
 Wright氏は、自分にとってストーリーを展開していくうえで最も重要な要素は共感であり、それこそ映画が巧みに築きあげているものだと語った。
 ビデオゲームは映画にはできない方法で、自尊心や罪の意識を伝えることができると、Wright氏は続ける。
 大事なのは、ゲームではより主体的に動かざるを得なくなる点だと述べて、Wright氏は「画面上で展開していることは、自分が引き起こしているのだ」と語った。
 それでもなお、どんな種類であっても物語というものは、それを見たり読んだりしている人々に「可能性の宇宙」を開くことができるのだともWright氏は言う。
 われわれは、「映画の中では起きていない、こうしたちょっとした可能性を想像している」
 さらに、インタラクティブなストーリーの作り手が苦心していることは、おそらく、できるだけ豊かで多様な感情を経験できるようプレーヤーを導く形でイベントの因果連鎖を提供することだと、Wright氏は示唆している。

http://japan.cnet.com/special/tech/story/0,2000056938,20345597-3,00.htm

 次にWright氏は、最も好きだというストーリータイプの1つに話を移した。話の流れが「次から次へと展開していって、突然(予想もつかない形で、一気に)転換する」というタイプのものだ。
メメント」について、因果連鎖を扱うインタラクティブな手法を採用していると評価して、次のように述べた。
「ある時点で、(映画の)連鎖における未来の時点ごとに、見る者はそれまで見てきたことを再検討せずにはいられなくなる。ある種、インタラクティブなパズルゲームになっている」とWright氏は説明した。
 映画の中で何度も繰り返される同一の日において、観客は主人公が時間を費やして行っているはずの行動が省略されていることに気がつくようになるが、それは主人公が行うことの大部分を観客がすでに知っているからなのだと、Wright氏は言う。

 主体性、可能性の表現、こういったところがゲームのストーリーテリングの特徴でしょうか。共感、観客の視点(ある種のキュビズムか?)は映画と共通する要素でしょうか。