ゲームのおもしろさ
著者はゲームのおもしろさを、学習の喜びに置き換えて説明しています。
知覚を遮断してしまう入れ物に人間を閉じ込めてみると、一瞬にして強烈な憂鬱を感じるようになってしまうことがわかっています。
この事実は、脳が必然的に新しい「体験」を欲していることを意味しているわけではありません。新しい「データ」だけを欲しているのです。新しいデータはどれも、単にパターンを実際に試してみる必要性から求められています。新しい体験は脳にとって全く新しい仕組みを押し付けるかもしれず、かえって脳はそれを「嫌う」ことも珍しくありません。
つまるところ、これこそが、ゲームとは何かの答えになります。つまり先生(教える人)えす。おもしろさとは単に、学ぶことの別名なのです。
「データを欲しがっている」というのはなかなか興味深い指摘だと思いました。
成功したゲームの傾向
成功したゲームには以下の要素が含んでいる傾向があります。
- 準備 プレイヤーの挑戦に先立って、成功の確率に影響を与えることのできる何らかの選択
- 空間の感覚 雰囲気・盤・プレイヤー間の相互関係など
- 中核となる堅牢な仕組み 駒の動きなど、解くべき謎や趣旨が集約された規則の集まり
- 挑戦の範囲 ゲームの内容のこと 規則の範囲内で処理されつつ、若干違った状況をもたらす
- 議題の解決に必要な能力の範囲 プレイヤーの習熟によって、無数の戦略の中から自由に選び出せるようになる ただし弱者狩りを防ぐ仕組みを作っておく必要がある
- 能力を使いこなすのに必要な技術 資源管理のミスや手際の悪さ・時期選択の誤り・変数の監視漏れなどまずい戦略の原因 失敗したら損失を支払わせるべき
著者の主張からいくつか組み合わせました。
ゲームブックだと、準備はアイテムなどの資源、空間の感覚は地図やパラグラフ、中核となる堅牢な仕組みはルール、議題の解決に必要な能力の範囲は解決しうる複数の選択肢、能力を使いこなすのに必要な技術は資源の管理や文章の解読などでしょうか。