大阪芸術大学 河南文藝 漫画篇 を読む。
2003年新年号 春号が出ている。
この本は大阪芸術大学が発行している漫画雑誌である。
漫画原作者で有名な、小池一夫が責任編集している。
プロの漫画家と、大学生(アマチュア作家)の作品が同じ雑誌に掲載されているのが珍しい。
この本の中に、小池一夫が直々にキャラクターの作り方を指導している文がある。
ピックアップ
- 多くのヒット作品で、まず思い浮かぶのはストーリーより先にキャラクターの顔や名前である。読者はキャラクターと喜怒哀楽を共にし、ストーリーを疑似体験する。
- 人々を魅了する偉業がオーラを形成する。キャラクターにオーラが加わると、世界に影響を与えるようなスーパーキャラクターが生まれる。
- 一人でキャラクターは起ちにくい。まったく違った性質を持ったキャラクターを対立させる、という方法がある。(ここまで2003年新年号)
- オーラと並んで、キャラクターをスーパーキャラクターに持ち上げる、もう一つの要素は「カリスマ」である。
- 先の見えない不安な時代に、われわれが無意識に待望して登場する指導者がカリスマである。
- カリスマ性は支配的な「負」のイメージが強いため、長く愛されにくく、スーパーキャラクターとして短命になりがちである。
- オーラを「陽」とするならば、カリスマは「陰」となる。オーラを持つキャラクターと、カリスマを持つキャラクターを描くことによって、ドラマはいっそう魅力的になる。(ここまで2003年春号)
週刊少年ジャンプで連載されている「シャーマンキング」の主人公・麻倉葉は、カリスマ型のキャラクターのような気がする。
主人公はあまり活躍しないが、それはユルさゆえに強烈な欲求も見られず、高みに立ったところが読者の視点と合わないからではないだろうか。