続き?

カイジ」や「ジョジョの奇妙な冒険」をハウダニット(どうやって解決するのか)と仮定する。
 ハウダニットの特徴は、主人公が何かに気付くということである。
http://hw001.gate01.com/karzu/column/fukumoto.html のQ70 最も重要なことは「気付くこと」(は先生御自身のお考えですか?) 福本「そうでしょうね。現実的にも、何かに気づいた人のほうが商売当てたりするじゃないですか。」)
http://www.edit.ne.jp/~condor/arakitv1.html のQ13 荒木「あらゆることを疑う、っていうのが何て言うか………そういう風にしているのが座右の銘ですね。」)
 フーダニット(誰が犯人か)もハウダニットも、パズルに似ている。
 ミステリでは登場人物が謎を解いていく。
 これを言っては身も蓋もないが、解決方法に読者が納得しなくても、物語を終わらせることが出来る。
 しかしゲームになると、プレイヤーがパズルの答えを見つけ出せないこともある。
 また解答が合理的でないと不満は出るし、情報やヒントを出すのも難しい。
 ただしプレイヤーの力できちんと解答を導き出し、事態を好転させることが出来たら、プレイヤーは大きな達成感を感じるだろう。
 ほとんど無自覚だと思うのだが、TRPGのシナリオに、ハウダニットの手法を使っているケースは多いと思う。
 正面からでは勝てない強大な敵にどうやって立ち向かうか、といったシナリオ等がそれにあたる。
 ゲームマスターが、プレイヤーにパズルを渡す心境に似ている。
 そして時には、ゲームマスターはプレイヤーに向かって、心の中で叫ぶことがある。
「気づけよ」と。
 しかしTRPGは、ミステリとは違って、登場人物が自動的に「気づく」事はないのだ。
 ハウダニットをゲームのシナリオに組み入れるとしたら、ゲームマスターの引き出しに、多すぎるくらいのヒントや情報をしまっておくのがいいだろう。
 あるいは逆に、選択肢を絞った方がいい。
 情報操作を行ったり、キャラクターの出来ることを制限すればいい。(例えば時間や移動・能力の制限)
 また、キャラクターの演出を極端に重視するプレイヤーが混じっていると、そもそもこうした謎解きに関心を寄せられないこともある。
 そのときはプレイヤー全員が納得することを条件に、キャラクターが「気づいて」もいいと思う。
 この手のプレイヤーは、プレイヤーが「気づく」と嬉しいわけではない。キャラクターが「気づく」と嬉しいのだ。
 ただこの方法は、あくまでもイレギュラーな解決方法である。
 ハウダニットに向いてないプレイヤーと卓を囲んだ時の、緊急回避的なシナリオ進行手段である。