『注文の多い傭兵たち』で紐解く押井氏のゲーム観

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[断絶された他者] とのコミュニティよりも、自己の内部の充実化、[自己との対話] を氏は望む。

 コンピュータゲームの特色は、コンピュータに審判役を任せた点である。またゲームによっては、コンピュータが対戦相手になってくれるし、そもそも対戦相手のないゲームも存在する。
 これによって従来のゲームを楽しく思わなかった人もコンピュータゲームを買い求めるようになった。そういう人は他者との交流より、自己表現(自己実現)を望む傾向があるといえる。おそらくコンピュータRPGが、この種の趣向を持つ人を、知らないうちに新規参入させていたのだろう。
 だからコンピュータRPGが他者との交流(MMORPGなど)にむかったり、いたずらにムービーに力を入れても、プレイヤーによる自己表現がないがしろにされれば、一部の人にそっぽを向かれてもしかたがない。