──夏休み特別篇──中学生のためのゲームクリエーター講座

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 第四回 スコア

では、こういうシミュレーション作品においてクリエーターのメッセージはどこにあるというのでしょうか。
それは、実は、「枠組み」そのものに込められているのです。
前回でいうと「道路」がそれにあたります。
水や空気のように当たり前すぎて日常に気づく事はありませんが、私たちの発想はこの枠組みによって規定されているのです。
言い方を変えると、人は道を設計した人の「見えざる手」に導かれているのです。

 プレイヤーは、ゲームのシステム*1にのっとって思考する、ということか。

どんなゲームにもスコアがあります。
人はより高いスコアへ向かってあの手この手とチャレンジしてきます。
自由気ままにプレイしながら、いつしか自分の言葉でクリエーターのメッセージを語り始める、それがゲーム表現です。
ゲームのクリエーターが制定する「スコア」。
これこそが、このゲーム価値観の源泉となります。
むろん、この設定がユーザーに受け入れられないと、ゲームというのはプレイすらしてもらえません。
プレイされないゲームはどんなメディアより無力なものです。
スコア選びからクリエーターの意思表示の第一歩は始められるのです。
「プレイヤーは誰とかけひきしているのか」
それは自分自身なのです。
疑似世界というクリエーターの作り出した手のひらの上で邁進しながら、実はそこに映し出された自分自身と競っているのです。

 コンピュータゲームはメディアのひとつなのか……。実際メッセージを込めることができるし、大量配布も可能だからそのとおりなのだろう。
 システムとスコアを通じて、プレイヤー自らメッセージを語り始める、というメディアは珍しい。まぁメディアに関してあまりピンとこないのでここでやめる。