マンガの創り方 誰も教えなかったプロのストーリーづくり
この本は巻末に収録された山本さんと高橋留美子さんの二編の短編マンガを手本に、短編マンガのストーリーづくりの作業工程を書いたものです。
既存の短編マンガがどういう構成になっているのか読者にわかるように、まずバラバラに分解してみます。
画を取る→ネーム
ネームからコマ割りと吹き出しを取り、箇条書きにする→箱書き
箱書きを箇条書きにしたものを四つに分ける→起承転結
山本さんは映画の脚本を手本にストーリーの構成を解説しています。
箱書きという用語はここから来ているようです。
箱書きは主に場面ごとに成り立っています。
もしページ数より箱書きが多いと、1ページに2つ以上の場面を展開することになり読者を惑わすことになります。
箱書きがストーリー管理の目安となるわけです。
単に起承転結でストーリーを解説するよりもわかりやすいといえましょう。
山本さんの解説によって、高橋留美子さんの作品が一つの無駄のコマなく計算されつくされていることがわかります。
読者がマンガを読む視点と作家が他の作家の作品を読む視点は異なります。
プロの視点でプロの作品を語るというのは素人の私にとってかなり刺激的でした。