3の法則

 マンガには3の法則といわれるようなことがいくつかあるようです。

1)登場人物は3回出せ
2)3つに1つは派手なシーンにする
3)3回ひっくり返せ

 短編では登場人物をそれほど多く出せません。読者の印象に残るには、登場人物一人一人を少なくとも3回出す必要があるようです。
 3つに1つは派手なシーンを交えないと、読者を退屈させてしまいます。以前id:gamebook20060123にて

人間の忍耐は3分、根気は12分。どんなに引っ張っても、3分以内に何も起きないと、誰もがイライラし始めます。(略)一方、逆に、どんな素敵でおもしろいものでも、12分で飽きてしまいます。

 という映画におけるテンポを紹介したことがありました。テンポの良さを定義することには意義があると思います。
 3回ひっくり返すという対象は、起承転結全般が含まれます。
 起承転結の転とは起承をひっくり返すことではありません。
 承や結のパートの中にもひっくり返しは存在します。
 もののついでといってはなんですが、起承転結も紹介します。

マンガの創り方 誰も教えなかったプロのストーリーづくり

山本おさむ
双葉社


 この本は巻末に収録された山本さんと高橋留美子さんの二編の短編マンガを手本に、短編マンガのストーリーづくりの作業工程を書いたものです。
 既存の短編マンガがどういう構成になっているのか読者にわかるように、まずバラバラに分解してみます。


 画を取る→ネーム
 ネームからコマ割りと吹き出しを取り、箇条書きにする→箱書き
 箱書きを箇条書きにしたものを四つに分ける→起承転結


 山本さんは映画の脚本を手本にストーリーの構成を解説しています。
 箱書きという用語はここから来ているようです。
 箱書きは主に場面ごとに成り立っています。
 もしページ数より箱書きが多いと、1ページに2つ以上の場面を展開することになり読者を惑わすことになります。
 箱書きがストーリー管理の目安となるわけです。
 単に起承転結でストーリーを解説するよりもわかりやすいといえましょう。


 山本さんの解説によって、高橋留美子さんの作品が一つの無駄のコマなく計算されつくされていることがわかります。
 読者がマンガを読む視点と作家が他の作家の作品を読む視点は異なります。
 プロの視点でプロの作品を語るというのは素人の私にとってかなり刺激的でした。

物語編集力

 構成イシス編集学校 ダイヤモンド社
 この本にはイシス編集学校で行われている物語を作る稽古とその作品、解説が書かれています。
http://es.isis.ne.jp/
 既に成功した物語から骨組みを取り出し、それを新たに肉付けすることによって全く違ったジャンルの物語を生み出しています。ジャンルは違えど、物語の基礎は変わらないということを実証しているわけです。
 生まれた物語の元ネタを当てるのはかなり難しいと思います。

物語とは人々の頭の中に典型的に記述されている知識の構造つまりスクリプトにゆれやひび割れを起こすことであり、静的な状況の中に「紛糾」と「葛藤」を巻き起こすことであり、その解決を模索することだったのです。つまり日常の安定した世界にあえて非日常をもちこんで不安定化させ、その回復をめざすプロセスを記述したものが物語なのです。

 不安定からの回復をめざすプロセスは作り手も受け手も影響を受けるのでしょうね。
 作り手からすれば「物語が動き出した」となり、受け手も「おや? この後どうなるんだ」と興味引かれるわけです。
 回復をめざすプロセスはもしものときに対する脳内シミュレーションなのですかね。それだったら昔から物語が必要とされる理由がわかるような気がします。

英ポンド急落で、Amazon UKでの買い物が安すぎる件について

http://www.lifehacker.jp/2009/01/amazon_uk.html

 FFの原書とかも安く購入できるんでしょうかね。
 私はカードを持っていないので決済できないのですが、海外のゲームブックの原書の欲しい方はAmazon UKに加入して調べる価値はあると思います。

魔界の地下迷宮

http://www.soudosha.jp/kinkan.html

好評グレイルクエストシリーズ・第3巻
おまえもいまやちょっとした有名人だ。魔術師討ちのピップとか、ドラゴン殺しのピップなどと呼ばれてな。
だが困ったことに、魔界の門が開いたままだ。誰かが閉めねば、アバロンの王国はほどなく滅びを迎えるであろう。
邪悪が世にあふれ出してくるからな。そんなことになっては、わしの恩給暮らしもままならぬ。
おまえの助けが要るんだ。さあ、わしの時代へさかのぼってこい……
ハービー・ブレナン著
日向 禅訳
フーゴ・ハル訳監修
12月10日発売予定 四六版並製 230頁 本体1200円
ISBN:9784789301435

 12月に向けて小遣いを貯めておかなくっちゃなぁ。