郵便を使ったネットゲーム
私は10年前ぐらいに、郵便を使ったネットゲームを遊んだことがある。
ネットワークが限られた時代に、一ヶ月一行動という制限でゲームをやっていた。
プレイヤーはキャラクターの行動を書く。
ゲームマスターは、行動結果を書いて送ってくる。
それこそ誰かを出し抜くことや、多くの人の目に触れる文章の中に自分のキャラクターがでてくることは、とても楽しかった。
だからMMORPGをやったことがなくても、思った以上の成果をあげて自己顕示欲求が刺激されたことの快感については、私も理解できる。
普段の生活の空き時間にも、他のプレイヤーと情報交換し、キャラクターの行動についてずっと考えていた。
ゲームが進むにつれて、他のプレイヤーを出し抜くだけでなく、ゲームマスターを驚喜させるような行動を考えるようになっていった。
そしてそれは、何度も報われた。
だんだんと、ゲームマスターたち(のセンス)を信用するようになっていった。
しかし、風向きは変わってきた。
自分のキャラクターの行動がゲームマスターの一人に理解されなかったのか、まるで違う行動結果が何度も返ってきたからである。
身近に思っていた人たちが、型にはまった態度をとってきたら、距離感を感じるようになる。
結局三年ぐらいで、郵便ネットゲームを止めた。