移動
かつて私はゲームコラム*1で、マッピングの楽しみについて少し触れた。
しかしフローチャートを作成するにあたって、マッピングだけでは説明がつかない、何らかの面白さを見落としているのではないか、と思うようになった。
この疑問の答えが、冒頭に書いた「主人公を移動させ、移動先の文章を読む仕掛け」である。
移動は空間だけでなく、時間の移動も含まれる。(鍵などの小道具の獲得によって、移動ができることもある)
移動するということは、移動先の影響を受けるだけでなく、移動前の場所の影響を脱するということである。
読者がリスクとリターンを認識すれば、緊張と期待感が生まれる。時には軽い葛藤にもなるだろう。
小説や映画では、読者や観客は自分の意思で主人公を移動させることはできない。
コンピュータゲームと区別をつけたいのであれば、例えば主人公の五感(+第六感)を文章に盛り込むなどの工夫をすればよいだろう。(ゲームブックとノベル系のゲームは似た立場にあるかもしれない)