亡霊

 以前付喪神について少し書いた。
 今度は、亡霊に注目してみた。
 古典芸能の、能の曲目の中に、亡霊が登場するものがある。

旅の僧がゆかりのある土地で思いをはせていると、そこに土地の者がやってきて、その土地の物語を語り聞かせる。
僧が怪しんで尋ねると、その物語の登場人物こそが私であると言って、語り部は消え去る。
僧は亡霊を供養した後に眠ると、亡霊は夢の中に登場し、もう一度物語り、成仏して去っていく。

 源氏物語平家物語を元にした作品が多いようだ。
 これらを参考に、ゲームブックの中に亡霊を登場させるとしたら、主人公は亡霊の満たされぬ思いや願いを引き受けて、解決するということになるだろうか。
 しかしこの依頼代行型のシナリオには弱点がある。それは主人公が悩んでしまうと、ストーリーが進まないのである。(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20030528#p2