「ハリー・ポッターと賢者の石」

 物語にはいくつもの伏線が張られている。この伏線の配置の仕方に特徴がある。
 ミステリなどでは、それとなくわからないように伏線を配置することが、巧みな伏線であるとされているフシがある。
ハリー・ポッターと賢者の石」ではちょっと違う。見え見えな伏線も存在する。しかしそれは世界観を構築するパーツになっているのである。
 これから内容の一部に触れながら解説する。
 読んだことがない人もいると思うので、結論だけを見たい方はこちらへ。(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20030903#p3)
 これよりネタバレ
 グリフィンドールに入るのに必要な素質は、「勇気」である。ハリーは勇気を持った見習い魔法使いであることを暗示している。
 魔法使いや魔女のカードは、ハリーに情報をもたらす小道具になっている。
 小道具については以前コラムで言及した。(http://www.geocities.co.jp/Bookend/2685/gb020910.htm)
 次に「勇気」について考えてみたいと思う。