書きあぐねている人のための小説入門(保坂和志著 草思社)
保坂氏はかつてカルチャーセンターの講座の企画を立てていたことがあるのだという。だから物語論に関してはかなり詳しいようだ。ところが彼は、物語を学んでも小説は書けない、小説と物語とは異なると主張している。(なおあらかじめ書いておくが、彼は物語を馬鹿にしているわけではない。彼はストーリーとは、予想がつく範囲の中で、造りの巧みさを楽しむものだと主張している。)
だから小説を書く際は、物語の当たり前を排除している。具体的な指針を書くと
- 登場人物に役割を与えない
- エンディングから逆算して書かない
- テーマの代わりにルールを作れ
などがある。