コラム未満

その他コメント

「タブーを破る」ことによって物語が開始する、とはかなり便利なパターンである。動機と世界観を絡ませる、という表現すればよいだろうか。このあたりはさらに研究したほうがよさそうだ。 これは私見だが、「家族」が魔法物語の人間関係の基礎となっているよ…

ファンタジーのデータベース

「指輪物語」と「ハリー・ポッター」、この二作品はファンタジー物語の大ベストセラーである。 この二作品の作者はイギリス人である。イギリス人はファンタジーが得意であるといっても過言ではないだろう。 私はファンタジーのデータベースを充実させ、物語…

古い眼鏡

イギリス人は潜在的な差別主義者がみられると指摘する人がいる(ウォーロックで、リビングストンを差別主義者であると指摘したコラムが掲載されていた)。それについてはどうなのか私はわからないが、「魔法昔話の起源」を読んで、イギリス人は古いヨーロッ…

洋魂和才

ところで映画「千と千尋の神隠し」は、驚くほど魔法物語のつくりに近いものがある。たとえば 黄泉の国に行き、そこから帰ってくる 主人公は魔女に所有されてしまう 主人公は最後に両親を見分ける というところである。 「千と千尋の神隠し」は外国でも好評で…

これからの課題

私はあまり詳しくないのだが、「パズル」というものが引き起こす心理的要素もあると思う。パズルには「答えはひとつ」「答えは手がかりから導き出せる」などがあって、プレイヤーに冷静に物事を考えさせる要素があると思う*1。 映画などのエンタテイメントに…

「勝ちたい」という心理と盛り上がり

話ししながら、いろいろと雑想していた。 プエルトリコなどは、プレイヤー一人一人の行動(とその積み重ね)が場の流れを生み出す。細部から全体の流れを読んで、その都度予定を修正していく。これは小説などと共有している面白さであると思う*1。読者が小説…

雑談

このあとゲーセンで遊んでから、最初の三人がファミレスに移動して雑談する。 雑談の内容はこんな感じ。 A:プエルトリコは運の要素が少なくて面白い。 私:プエルトリコやカタン・ボーナンザなどは、待ち時間が少なくてみんなから好評を得ているような気が…

集団の魅力

主人公は集団に属することによって、主人公を取り巻く状況は変わる。肩書きや人間関係、チームワークの発揮など、さらに集団ならではの教育(家族や学校の代わり)が考えられる。このあたりは、ドラマ仕立てしやすいといえるだろう。 あと集団の背景と行動基…

想定

前回(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20040116)の補足。 遊学Ⅱ(遊学2)より ゲームの定義(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20031219)の続き ゲームとはその思考の形態性を情報のやりとりに組み入れて、そこにルールとペナルティをもちこんだものである…

まとめ

人をひきつける面白さの中には、このようなことも存在する。 試行錯誤によって、何かがわかっていくこと 細部が全体を動かしていくこと 解決不可能に見える問題を提示して、それを解いていくこと

悲劇

感情移入はカタルシスを楽しむために存在するのだろう。ゲームブックで悲劇といえばギリシャ神話三部作を思い出す。あとは……なかなか思い出せないな。悲劇をテーマにしたゲームブックが少ないのは、ゲームなので達成感のほうを優先するからなのだろうか。あ…

感情移入

まぁこれは私だけかもしれないが、はじめてTRPGをやった時に、キャラクターに感情移入することができなかった。これはこれでいいかもしれないが、視野を広くしたいと思って、何回かトライした覚えがある。 「火吹山の魔法使い」などの、初期のゲームブックの…

所有について

新年からたわごとを。 ゲームをいろいろと比較していると、TRPGにユニークな面があることに気がつく。それはプレイヤーにキャラクターの所有を認めたことである。TRPGの魅力の中に、キャラクターデザインが入ることに異議を唱えるものはいないだろう。この概…

私の感想

ここに挙げられたプロット思考は、色々と応用がききそうなやり方だと思う。覚えておいて損はなさそうだ。 少し脱線する。「弟切草」というゲームがあった。このゲームは発売当初からゲームブックによく似ている、といわれてきた。このゲームのテキストを、脚…

面白いゲームの秘訣?

ゲームに戻る。選択や意思決定にはまず基準となる情報が必要だ。そして局面に影響を与えるゲームの参加者が、なにかを隠していることが必要になってくると思う。そのなにかとは、戦略とか狙いというものであったり、裏向きのカードであったり、嘘や欺瞞やハ…

ゲームの定義

遊学Ⅱ(遊学2)より ゲームとはなにか。二人以上の者が相互に許可した一個のシステム(構造)を、一定の上限と下限をもった思考(あるいは活動)によって吟味しつくすことである。システムと思考の相互規制様式にゲームの本質がある。このことをひっくりかえ…

「プロトタイプ」

第二に、記憶と再生にあたっては、「カテゴリー」や「プロトタイプ」の役割が大きいのではないかということだ。私の確信しているところでは、そもそも記憶の再生というのは、「外からやってきた情報が自分に似たカテゴリーやプロトタイプをさがしだす」とい…

脳で考えているはずなのに胸に手を当てたりするのはなぜだろう。 あと「自分」というものの根源は「免疫システム」だ、なんて説もあったような気がする。この説はどこに行ったんだろう? まぁ、それは置いといて。 私が小学生のとき、同級生にものすごくかわ…

独特の雰囲気

ちょっと話を変える。 日本は「達成感の無い、解消されないもの」に対する感受性が非常に高い。例えば「亡霊」や「わび・さび」が挙げられる。 これらはいわゆるアーキタイプから外れている存在だ。しかし「達成感の無い、解消されないもの」が真実を語るこ…

独特の雰囲気

「日常の陰にある非日常」とか、「再び日常へ」という話し運びは、英雄伝説のアーキタイプとはまた違っている。まぁ、当たり前なのだが。 「再び日常へ」というところは西洋にはない、どこか東洋独特の雰囲気であるような気がする。そういえばドラえもんって…

心に残るものと消えるもの

もっと突き詰めて考えてみる。次に述べることをまだ証明することはできないが、それほど外れていないように私は思っている。 英雄伝説のアーキタイプに沿って展開する物語は、魅力的である。 しかし物語が終わってしまうと、その魅力はだんだんと忘れられて…

雰囲気

ハリウッド映画の脚本は一定の法則のもとに作られている(http://www.geocities.co.jp/Bookend/2685/gb020625.htm)。 中にはスター・ウォーズを超える出来の作品もあるだろう。しかしスター・ウォーズと肩を並べるような作品はそうそう見当たらない。 http:…

アーキタイプの領域

昨日の続き つまるところアーキタイプを学んでも、作品の雰囲気は作れないのではないか、と私は思うようになった。 こちらを見て欲しい。 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0704.html ジョージ・ルーカスはジョセフ・キャンベルの講義から感銘を受けて…

盛り上がりについて その二

その一はこちら(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20030928#p1) シナリオの目的(http://d.hatena.ne.jp/gamebook/20031003)とキャラクターの動機、この二つは盛り上がりに関係しているような気がする。 この他にもまだいくつか盛り上げどころはあると思う…

盛り上がり

物語の書きかたには二種類あるということを読んだことがある。それによると最初に最低限のことを決めてから物語を書く方法と、結末をきっちり決めてから物語を書く方法があるということだ。前者は長編小説向きのやり方であり、後者は短編小説に向いていると…

「ゲーム脳の恐怖」とお手玉

「ゲーム脳の恐怖」が売れつづけているらしい。 http://allabout.co.jp/game/gamenews/closeup/CU20030801A/index2.htm テレビゲームはまだいまいちわかっていない部分が多い。 なぜ「ゲーム脳の恐怖」が売れつづけるかというと、ゲームに対する不安を解消し…

引き返せない

主人公が引き返せない状況を作ることは、物語においてもゲームにおいても必要であるような気がする。 のうのうと補給できるようでは、主人公はあえてリスクを犯さないだろう。 場所・時間・状況や背景といった設定がかかわってくる。 そこまでに至る情報操作…

損害

ゲームをやっていて、損害が予想を超えるとげんなりしてしまう。 グレイルクエスト(旧ドラゴンファンタジーシリーズ)のすごいところは、死すらギャグにしてしまうところだと思う。(ああ14に行きそうだ、なんてね) ゲームブックを書くときは、プレイヤー…

結論

物語における特有の暗示を、世界の法則と呼ぶ。 世界の法則は、物語の世界観を形作っている部品の一つである。 法則は読者に対する一種の約束である。約束なので見え見えの伏線であっても、書いたことがあとから実現する方が読者は喜ぶ。

法則

私はこれが、(ハリー・ポッターの)世界の法則にあたると思う。勇気を持つことが、ハリーの成長の源である。 他の作品の例をあげてみる。「柳生連也武芸帖」では、「執着を捨てる」「日々修練に励む」ことによって、連也はより高みに到達した。 この二つの…